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口唇ヘルペス

口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスとは口唇ヘルペスは、唇やその周辺に水ぶくれやかさぶたを繰り返し生じる、ウイルス性の皮膚疾患です。特に「疲れたときに唇の端にできる水ぶくれ」として経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
原因は「単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)」による感染で、一度感染すると体内にウイルスが潜伏し、免疫力が落ちたタイミングなどで再発します。再発性の疾患であるため、適切な対処と予防が重要です。
口唇ヘルペスは見た目の違和感だけでなく、痛みや不快感を伴い、日常生活にも支障をきたすことがあります。再発を繰り返さないためにも、正しい知識を持って対処することが大切です。

口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスの原因は、「単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)」というウイルスへの感染です。このウイルスは非常に感染力が高く、皮膚や粘膜にある小さな傷などから体内に侵入します。

初感染と潜伏

初めてこのウイルスに感染したとき、多くの人は無症状か、軽い風邪のような症状で済みます。しかし、ウイルスは神経節という場所に潜伏し、免疫力が低下した際に再活性化して症状を引き起こします。これが「再発性口唇ヘルペス」です。

再発のきっかけとなる要因

以下のような状況が、再発のきっかけになります。

  • 発熱や風邪などの体調不良
  • 強い紫外線を浴びたとき
  • 睡眠不足やストレス
  • 月経前や体の疲れがたまったとき
  • 外傷(唇をかんだ、傷ついたなど)

つまり、身体の抵抗力が一時的に弱ったときに、潜伏していたウイルスが再び活動を始め、皮膚に症状を出すのです。

口唇ヘルペスの症状

口唇ヘルペスの症状は、一般的には唇の端や周囲に現れ、次のような経過をたどります。

1. 前兆(違和感・ムズムズ感)

発症の1~2日前から、「ピリピリする」「ムズムズする」「かゆい」などの違和感が出てきます。この段階で治療を開始すると、症状の悪化を防げる可能性が高まります。

2. 水ぶくれができる

違和感のあった部位に小さな赤みが現れ、その上に水ぶくれ(水疱)が複数できてきます。水疱は次第に破れて潰瘍になり、痛みやヒリヒリ感を伴うことがあります。

3. かさぶたになる

水ぶくれが破れると、じゅくじゅくとした浸出液が出て、やがて乾燥してかさぶたになります。多くの場合、1~2週間で自然にかさぶたが取れて治癒します。

4. 治癒後もウイルスは体内に残る

症状が消えても、ウイルスは体からいなくなるわけではなく、再び免疫が低下すると同じ場所に再発することがあります。

うつる確率

口唇ヘルペスは「人にうつる病気」です。主に、以下のような経路で感染が起こります。

1. 接触感染

もっとも多いのが、水ぶくれや患部に直接触れた手や物を介しての接触感染です。キスや食器の共用、タオルの使い回しなども感染リスクがあります。

2. 感染力の高い時期

水ぶくれができている間(特に破れて浸出液が出ている時期)はウイルス量が多く、感染力が非常に高い状態です。見た目には目立たない前兆の段階からも感染する可能性があるため、注意が必要です。

3. うつる確率は?

感染力は高いものの、健康な皮膚や粘膜を持ち、免疫力のある人にとっては、必ずしも感染するわけではありません。ただし、乳幼児や免疫力が落ちている人には感染する可能性が高くなります。

感染を防ぐために

感染を防ぐために
  • 発症中はキスや食器の共有を避ける
  • 手で触れた場合はすぐに手を洗う
  • 触った手で目や性器など他の部位を触らない
  • 赤ちゃんへの接触は慎重に行う

口唇ヘルペスの治療方法

口唇ヘルペスは自然に治ることもありますが、早期に適切な治療を行うことで、症状の期間を短縮し、再発リスクを抑えることができます。

1. 抗ウイルス薬(内服・外用)

内服薬(バラシクロビル、アシクロビルなど)

症状が出る前兆の段階で内服すると、発疹の出現や悪化を防ぐことができる可能性があります。再発を繰り返す方には、症状が出たらすぐに内服できるよう、処方を常備する場合もあります。

外用薬(抗ウイルス軟膏)

水ぶくれが出てからの段階では、抗ウイルス成分を含んだ軟膏を患部に塗布します。炎症やかゆみを抑え、治癒を促進します。

2. 痛みやかゆみへの対処

炎症や痛みに対しては、必要に応じて鎮痛薬や抗炎症薬を使用することもあります。

3. 免疫力を整える生活習慣

  • 十分な睡眠をとる
  • 栄養バランスのとれた食事を心がける
  • ストレスをためすぎない
  • 紫外線対策を行う

口唇ヘルペスでお困りの方は当院までご相談ください

口唇ヘルペスは、多くの方が一度は経験する身近なウイルス性疾患です。一度感染すると再発を繰り返す可能性がありますが、早期の対応と正しい予防によって、症状を軽く済ませることが可能です。
「またできそう」「唇がムズムズする」といった前兆を感じたら、早めに受診し、適切な治療を受けることが再発防止につながります。当院では、再発の頻度や生活習慣に応じた治療法をご提案していますので、お気軽にご相談ください。