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食中毒

食中毒とは

食中毒とは食中毒は、細菌やウイルス、有害物質が付着した食品を食べることで起こる胃腸炎で、主な症状には嘔吐、腹痛、下痢が含まれます。原因には細菌、ウイルス、寄生虫、化学物質、自然毒がありますが、その多くは細菌やウイルスによるものです。

細菌性食中毒

細菌性食中毒は特に夏に多く発生し、全体の70~90%を占めます。
腸炎ビブリオ、サルモネラ属菌、O-157、カンピロバクターなどの「感染型」と、黄色ブドウ菌やボツリヌス菌の「毒素型」に分類されます。

ウイルス性食中毒

ウイルス性食中毒は、ノロウイルスが原因の大半を占めています。

食中毒の種類別原因と症状・潜伏期間について

腸炎ビブリオ

原因

腸炎ビブリオは海水や海中の泥に生息し、水温が高い時期に水揚げされる魚介類に付着しやすく、刺身や寿司が主な原因となります。

症状

腹痛、下痢、嘔吐、発熱など

潜伏期間

8~24時間

サルモネラ属菌

原因

サルモネラ属菌は家畜の腸管内や、河川や下水に生息しています。
鶏卵や加工食品、肉類(レバー、鶏肉)、うなぎ、すっぽんが主な原因となります。

症状

腹痛、下痢、嘔吐、発熱など

潜伏期間

6~72時間

O-157
(腸管出血性大腸菌)

原因

O-157は牛の腸管内に生息し、糞便が食品や水を汚染して感染します。そのため、牛肉や加工品、生肉、加熱不足の肉だけでなく、水耕栽培の野菜や井戸水など、様々な食品が原因となる可能性があります。

症状

激しい腹痛、下痢、嘔吐、発熱、下血など

※重症化すると溶血性尿毒症症候群や脳症などの重篤な合併症を引き起こすことがあります

潜伏期間

4~8日

カンピロバクター属菌

原因

カンピロバクター属菌は動物の腸管内に生息し、鶏の保菌率が特に高いです。
肉類(特に鶏肉)や飲料水、生野菜が原因となります。

症状

腹痛、下痢、発熱など

潜伏期間

1~7日

黄色ブドウ球菌

原因

黄色ブドウ球菌は生活環境に広く生息しており、健康な人の皮膚にも存在します。そのため、おにぎりやサンドイッチ、寿司、乳製品、ハム、生菓子など、様々な食品が原因となる可能性があります。

症状

吐き気、嘔吐、腹痛、下痢など

潜伏期間

1~3時間

セレウス菌

原因

セレウス菌は土壌細菌の一種で、穀類や野菜などが汚染されることがあり、通常の加熱処理では完全に死滅しません。
セレウス菌による食中毒は下痢型と嘔吐型に分けられ、それぞれの原因は以下の通りです。

  • 嘔吐型:炒飯、スパゲッティ、焼きそばなど
  • 下痢型:食肉、野菜、スープ、弁当など

症状

嘔吐型:嘔吐と吐き気 下痢型:下痢と腹痛

潜伏期間

嘔吐型:30分~6時間 下痢型:8~16時間

ボツリヌス菌

原因

ボツリヌス菌は土壌細菌の一種で、自然界に広く生息しています。酸素のない場所で増殖するため、缶詰、瓶詰、真空パック食品、レトルト食品などが主な原因となりやすいです。

症状

吐き気、嘔吐、視力障害、発声障害、嚥下困難、呼吸困難などの神経症状

潜伏期間

8~36時間

サルモネラ属菌

原因

ノロウイルスは、カキやハマグリなどの二枚貝の生食や加熱不十分によって感染しやすいです。また、感染者の便や吐しゃ物との接触で、二次感染を起こします。

症状

吐き気、嘔吐、下痢、腹痛

潜伏期間

1~3日

食中毒の検査

症状や食事内容を詳しくおうかがいし、便検査、血液検査、腹部レントゲン検査などを行います。

食中毒の治し方

水分補給ができない、吐しゃ物や便に血が混じる、息苦しさや蕁麻疹などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

絶食と安静

絶食と安静症状が軽い場合は絶食して腸を休ませ、水分補給をこまめに行います。
下痢止めは症状を悪化させる可能性があるため、自己判断で使用しないようにしましょう。

薬物療法

薬物療法細菌性食中毒の場合は抗生物質で治療します。吐き気や下痢には、制吐剤や整腸剤を使用します。
水分補給ができない場合は、点滴治療を行います。

食中毒になった場合の
対処方法

下痢や嘔吐が続くと体内の水分は不足するため、少量ずつこまめに水分補給をしましょう。

下痢や嘔吐がひどい場合

絶食で腸を休ませ、白湯で少しずつ水分を補給します。症状が強く水分補給ができない場合は、医療機関を受診しましょう。

症状が少し改善したら

スポーツドリンクや経口補水液で、失われた水分と電解質を補います。

食事を再開するとき

雑炊やスープなど、温かくて消化の良いものを少しずつ食べましょう。

 

食中毒を予防するには…

食中毒予防には、「つけない」「増やさない」「やっつける」の3原則を守ることが重要です。

原因菌をつけない

原因菌をつけない調理前、トイレの後、おむつ交換の後、動物に触れた後、食事前は必ず手を洗い、食品に原因菌をつけないようにしましょう。また、肉や魚を扱う調理器具は使用毎に洗浄し、調理器具からの汚染を防ぎましょう。

細菌を増やさない

細菌を増やさないために、食品は早めに冷蔵保存しましょう。ただし、冷蔵庫に入れても細菌はゆっくり増殖するため、消費期限を守って早めに食べましょう。

加熱する

食中毒の原因菌の多くは熱に弱いため、肉や魚は中心までしっかり加熱してから食べましょう。