食道がんの初期症状は
げっぷ?症状チェック
初期の食道がんに、目立つ症状はほとんどありません。そのため、発症に気づかずに悪化することがあります。ですが、よくげっぷが出る方は、食道がんの症状のサインである可能性が高いです。
頻繁にげっぷが出て、喉や胸に痛みがある場合は食道がんを疑って、大阪消化器内科・内視鏡クリニック 難波院で専門的な検査を受けるようにしてください。
飲み込む際の違和感
食べ物を飲み込んだ際に、胸の奥にチクッとした痛みがある場合や、熱いものが沁みる感じがするといった症状は、食道がんの早期発見に繋がる重要な症状です。
症状が一時的に現れて消えているような場合も、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
つかえ感
食道がんが大きくなると、腫瘍に圧迫されて食道が狭窄します。飲み込む際のつかえ感が強くなると、食事量が減少してしまい体重が減る傾向にあります。
さらに、がんが大きくなると食道の閉塞が起こり、水や唾液も飲み込みにくくなります。
胸や背中の痛み
胃の入口から上部にがん腫瘍ができると、食べ物が飲み込みにくくなります。
また、がんの範囲が広がると胃の収縮運動が難しくなり、消化もできなくなります。そうすると、すぐにお腹いっぱいになるといった腹部膨満感を覚える方もいます。
黒色便
がんは範囲を広げるために、新生血管と呼ばれる新しい血管を作って身体の栄養を吸い取ります。新生血管は、通常の血管よりも破れやすく脆く、血液が便へ出てくることがあります。
胃から長時間かけて腸を通過するため、色が黒いところが特徴です。
食道がんの原因・リスク因子
食道がんは大きく分けて、食道の粘膜から発生する「扁平上皮がん」と、逆流性食道炎を原因に発生する「腺がん」があります。日本人に発生する食道がんの90%は、扁平上皮がんです。扁平上皮がんは、飲酒や喫煙の影響を受けやすく、食道がんの原因となると考えられています。
食道がんに
なりやすい人とは?
- 飲酒や喫煙の習慣がある
- 頭頚部のがんの既往歴がある
- 50歳以上の男性
- 飲酒するとすぐに顔が赤くなる
- 逆流性食道炎やバレット食道、食道アカラシアの既往歴がある
など
上記に該当する方は、食道がんの発症リスクが高いため注意が必要です。自覚症状がない場合にも、胃カメラ検査で詳しく検査をしましょう。
食道がんの検査
胃カメラ検査は、食道粘膜の細部までを詳細に確認可能です。さらに、組織の一部を採取して病理検査を行うことで確定診断も受けられます。
なお、造影剤を使用した上部消化管X線検査を行うケースもありますが、微細ながんの発見が難しいため、がんの確定診断を行うには胃カメラ検査が必要です。
当院では、初期の無症状で食道がんの発見に有効な内視鏡システムを採用しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
食道がんの治療
早期の食道がんは、胃カメラを用いて切除できます。
また、必要に応じて、提携する病院へとご紹介できる体制を整えております。
内視鏡的治療
早期の食道がんは、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といった術式で、内視鏡による切除手術が適応となります。
外科手術
食道粘膜の深くまでがんが進行している際には、外科手術が必要になります。
先に胃カメラでがんの進行の程度を把握してから、手術や化学療法、放射線治療を選択することもあります。
化学療法・放射線治療
がんが進行している場合は、手術前に化学療法を行ったり、手術が困難と判断した際には化学療法と放射線治療を行ったりすることがあります。
食道がんの生存率
食道がんのステージI では、5年相対生存率が86.3%と比較的高い数値を示しています。
ステージII になると、5年相対生存率は56.1%まで低下しますが、依然として半数以上の患者様が5年生存を達成しています。ただし、この段階では患者様の全身状態も予後に大きく影響します。
ステージIII に進行すると、5年相対生存率は29.3%まで急激に低下し、ステージII との差が顕著になります。
最も進行したステージIV の食道がんでは、5年相対生存率は12.4%とされています。しかし、これはあくまで統計的な数値であり、個々の患者様の状況によって実際の予後は異なる可能性があります。生存率は重要な指標ですが、それだけでなく、患者様お一人おひとりの全身状態や治療への反応も考慮する必要があります。