貧血とは
貧血とは、全身が酸素不足となり様々な体調不良が生じている状態を指します。赤血球や赤血球内にあるヘモグロビンは酸素を運ぶ役割を担っているため、何らかの原因でヘモグロビンが減ってしまうと十分に全身へ酸素を運べない状態になってしまうのです。
その結果、以下の貧血症状に悩まされることとなります。
貧血の症状チェック
- 顔面蒼白
- 疲れやすい
- 息切れや動悸がする
- 爪が柔らかくもろくなる
- 食欲が減る
など
女性は月経があるため貧血を指摘されやすいですが、背景に別の原因や病気が隠れている場合もあります。いつもと異なる体調に気がついた時は、大阪消化器内科・内視鏡クリニック 難波院へご相談ください。
貧血の原因
貧血の原因は多岐にありますが、以下の4つが主な原因として挙げられます。
鉄欠乏性貧血
鉄は、ヘモグロビンを作る主要な材料であり、働きの良い赤血球を作るために欠かせませんが、無理なダイエットや偏った食事によって十分な量の鉄を摂れない場合などに不足します。
血液中の鉄(フェリチン)が12ng/ml以下であると、鉄欠乏性貧血の診断になります。
血液疾患に伴う貧血
再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、白血病、多発性骨髄腫といった血液疾患に付随して生じる貧血があります。
慢性疾患に伴う貧血
甲状腺疾患や慢性腎臓病、関節リウマチなどの慢性疾患が、赤血球産生を妨げるために貧血を引き起こすことがあります。
栄養欠乏による貧血
正常な赤血球を作るために必要な栄養素は、葉酸、ビタミンB12、銅などが挙げられますが、これらが不足することで造血障害を発症し、貧血を呈します。
他には胃切除術後やアルコール多飲によって必要な栄養素の吸収障害が生じることも関与します。
貧血が起こる場合に
考えられる疾患
貧血を引き起こす以下の疾患は適切な検査と治療が必要になりますので、気になる症状がある時は早めに医師の診察を受けましょう。
子宮筋腫
子宮内に生じる良性腫瘍です。この腫瘍が増大すると月経過多や月経痛の悪化を引き起こすため、経血量が増え貧血になることがあります。
慢性腎不全
腎臓は造血ホルモン(エリスロポエチン)を作る機能を持ちますが、腎不全により機能が障害されると、赤血球を作る量が減ってしまい「腎性貧血」と言われる状態になります。
貧血が続くとどうなる?
貧血によって全身の酸素不足が続くだけでなく、少ない酸素量で体の機能を維持しようとして心臓への負荷が増えてしまいます。
最悪の場合、心筋梗塞や深刻な記憶力低下といった支障をきたす可能性があるので注意が必要です。またがんやその他の疾患が関わっている際は、それらの病状が悪化することもありえます。
このような先々のリスクを減らすために、専門的な検査や問診を受けるようにしましょう。
貧血の検査
貧血の診断に有用なのは血液検査です。血液中の赤血球、ヘマトクリット、ヘモグロビンを調べ、ヘモグロビン量によって貧血の重症度も診断可能です。
一方、貧血の原因には他の病気が関わっていることもあります。そこで当院では医師が必要と判断した場合に、胃カメラや大腸カメラの検査を行い、消化器疾患由来の出血が生じているか否かを確認させていただきます。
特に胃カメラ検査においては、検査時の不快感を減らすため、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用しております。患者様と相談しながら選択肢をご提案しておりますので、ご安心ください。
貧血の治し方
当院では、主に服薬治療と食事指導によって貧血の治癒をはかります。
服薬治療
鉄欠乏性貧血において、鉄剤の内服が第一選択の治療方法となります。吐き気や嘔吐等の副作用を生じる場合は、注射やシロップ剤へ変更することも可能です。ただし注射で投与する場合は鉄過剰となるリスクがあるため、定期的な血液検査を行うことがあります。
他には、不足しているビタミンや造血ホルモンの補充といった原因別の服薬治療を行います。
食事指導
原因によって食事指導の内容が異なりますが、鉄分が多く含まれる食材のご提案や、ビタミン不足を補う食事の摂り方などをご案内します。
無理なダイエットが原因の場合は、ご希望をおうかがいしながら健康的な食事習慣が実践できるようにサポートいたします。
貧血に良い食べ物
貧血において鉄分の補給はもちろん、鉄分の生成や吸収を助ける成分(ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC)も一緒に摂ることを推奨しております。一例を下記にご紹介いたします。
ビタミンB6:赤身の魚、ヒレ肉、ささみ、バナナ、さつまいも
ビタミンB12:乳製品、サーモン、マグロ
葉酸:ほうれん草、きのこ類